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電子足跡: 北陸街道(加賀街道)歩き旅
 市振から魚津へ


プロローグ

北アルプスが日本海に切れ込んだ断崖絶壁の親不知・子不知を越えて,市振から魚津への街道は黒部川が作った扇状地を歩きます。街道から富山湾が望める場所も,海が見えないところも,海からの爽やかな風が吹き抜けて海を感じなら歩く事ができます。

北陸街道は泊付近で黒部川及びその支流の川の増水氾濫による通行止めを避ける為に扇の要部分にあたる扇頂部の愛本を経由する北陸街道上往来と扇端・扇央部を通る下往来に分かれます。今回は北陸街道下往来を歩きます。


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ルート
区間 ルート 歩いた日 GPS移動距離
市振駅-泊駅 市振海道の松-県境-朝日町-越中宮崎-泊 2016/05/31 10.0km
泊駅-魚津駅 泊-入善-黒部川-三日市-片貝川-魚津 2016/05/26 26.3㎞

GPSログをGoogleEarthで
ツアーする方法
↑地理院地図(電子国土Web)に詳細ルート地図とポイントの写真が開きます。

北陸街道(加賀街道) 市振から魚津 地図
本地図はカシミール3DによりGPSデータを国土地理院地形図に描画してそのイメージデータを加工したものです。

市振宿

北陸街道最大の難所と言われた親不知を越すと最初の宿が市振宿です。と言っても親不知はまだ歩いていませんけど。
あいの風とやま鉄道線市振駅の東500m程の所に市振り宿がありました。

海道の松と市振宿街並み
市振宿の入り口にある海道の松です。親不知を越えてきた旅人が松を見て無事に着いたとホッとしたとの事です。
写真の左の道が北陸街道です。市振宿は難所の親不知を前にして本陣もあり栄えていました。 
注:海道の松は樹齢約230年でしたが2016年10月5日台風18号から温帯低気圧に変わった風の影響で根本から折れたとのことです。上の写真は2016年5月31日に撮影したものです。

桔梗屋跡地
桔梗屋は元禄二年(1689年)七月十二日(陽暦8月26日)松尾芭蕉が奥の細道の旅で泊まったと言われている脇本陣です。建物は大正三年に焼失したとの事です。
ここで伊勢神宮参拝に向かう新潟から来た遊女二人と同宿になり

  一家に遊女もねたり萩と月

の句を残しています。

新潟,富山県境付近

新潟県と富山県の国境です。境川が県境になっています。境川の川幅が狭いので少し呆気ない感じの県境です。


新川郡朝日町境付近

国境(くにざかい)なので加賀藩の境関所が設けられていました。この関所は規模が大きく西の大聖寺の関所 (石川県加賀市大聖寺関町)と並んで加賀藩の二大関所と位置付けられていました。
この地は何てことのない風景なのですが妻入りの家屋の街並みがなんかホッとします。


越中宮崎鼻付近の海
この付近で振り返ると親不知のシルエット,そして前には富山湾の海岸線が見渡せます。
日本アルプスが日本海に切落ちた地形がここで終わり,ここから先は黒部川が形成した扇状地を歩く事になります。
写真に小さく風力発電が見えますが8km程離れた入善浄化センターの風力発電です。





宮崎鼻から少し行った元屋敷に松尾芭蕉の句碑が建っています。

  わせの香や分入る右は有磯海

有磯海は歌枕ですが,歌枕の地はここではなく能登半島の付け根の氷見市付近との事です。

黒部川扇状地の道

泊から入善へ
越中宮崎,元屋敷を過ぎると泊-入善-黒部川-三日市へと続く扇端・扇央部を歩く道が続きます。
歩いていてもここが扇状地と気が付かないくらい広いです。



   

黒部川
奥の細道にも書いてあるように黒部川周辺は「黒部四十八ヶ瀬」と言われて黒部川が幾筋にも分かれて日本海に注いでいました。曽良日記では「入善ニ至テ馬ナシ。人雇テ荷ヲ持せ,黒部川ヲ越。」と記載されています。入善で馬に乗ろうとしたが馬を調達出来ず,人夫を雇って荷物を持たせて歩いて来た事が分かります。
写真下の左は入善から歩いて来た道。中央は黒部川の土手下にある芭蕉像。右は黒部川に架かる黒部大橋です。川幅が広い。


現在は治水が進んでいますが歩いているといたる所に小さな川や用水が現れます。その川も流れが早く濁りもなく水草がたなびきながら流れています。季節によっては川面に蜻蛉が舞い,夜には蛍が乱舞するのではないかと想像します。豊かな自然の情景そのものの感じがします。


富山県の農村風景は独特な感じがします。上の写真右の様に富山県の農村は部落になっておらず各戸が独立して点在している事が多いです。インターネットで調べらた散居村(散村)と言うそうです。勝手な想像ですがきれいな水が豊富なので通常の集落のように生活用水が有る所に人が集まる必要が無かったのかなと思いました。それにしても広い土地にゆったりと家を構えるって贅沢な感じがします。

東三日市駅


富山から宇奈月温泉を繋ぐ富山地方鉄道本線東三日市駅の駅舎です。無条件に懐かしい! って感じの駅舎です。
外観のレトロ感もさることながら,待合室に入ると,黒光りするベンチ,小さな黒板の伝言板。そこだけ時間が止まったままになっている感じがします。
高校時代の電車通学の記憶が蘇ります。

二見書房刊の『訪ねておきたい名駅舎 絶滅危惧駅舎』に掲載されているそうですので鉄道ファンには有名な駅舎なのでしょう。



北陸街道(北国街道)では街道の始終点の鳥居本宿にある近江鉄道鳥居本駅の駅舎もレトロ感のある良い駅舎です。


END

2018/12/13  ver5.17.0 ポップ起動の地図をGoogleMapから地理院地図に変更
2016/10/07 ver3.31:海道の松の記事を追加
2016/09/05 ver3.20:内部処理修正
2016/7/25作成
 

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