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電子足跡:日光例幣使街道歩き旅
 八木宿から天明宿へ


プロローグ

日光例幣使街道を八木宿から梁田宿を通り天明(てんみょう)宿まで歩いたページです。


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八木宿、天明宿と言っても聞きなれないと思いますが、八木宿は栃木県足利市福居町最寄り駅は東武伊勢崎線福居駅。天明宿は栃木県佐野市で、最寄り駅はJR両毛線、東武佐野線佐野駅です。

この道は北関東の広い平野部から足尾山地の麓に向かって行く道です。これまで遠くに見えていた山並みが目の前に近づき関東平野の北の縁を歩いている感じがします。

天明宿は佐野市街の中心部にありますが、意外と大きな町で鋳物の町としても有名です。経済的に発展していたのだと思いますが、街道沿いに趣のある古い建物が数棟残っていて宿場町の雰囲気が漂う一角がありました。
また佐野市は「佐野ラーメン」で知られていますが、歩き終わったら 佐野ラーメンを食べようと思いながら歩きました。

「道の駅 どまんなか たぬま」で車中泊をして、佐野駅から500mくらい離れた駐車場に車を止めました。
その駐車場ですが、最近珍しく管理人さんが居る駐車場でした。駐車料金は本来400円だったのですが、料金を支払うときに、私の服装を見て何をしている人?と思ったのでしょう。日光例幣使街道を歩いて来ましたと話したら300円におまけしてくれました。機械式の駐車場ならあり得ないことです。僅かな会話でしたが、人と人が触れ合う嬉しさ楽しさを感じました。

都道府県 区間 歩いた日 GPS
移動距離
備考
栃木 福居駅-佐野駅 2020年1月14日 13.8km  

 kmz形式
↑GoogleMapと地理院地図に
GPSログと写真がマッピングされた
地図が開きます
GPSログを
GoogleEarthでツアーする方法


カシミール3D 国土地理院 
(カシミール3DによりGPSログを国土地理院地形図に描画してそのイメージデータを加工したものです。)


八木宿

昨日の終着点 福居駅からスタートです。
八木宿がある福居町はそれ程大きな町ではなく、東武伊勢崎線の踏切を越えて少し歩くと田園風景が広がります。

庚申塔
路傍に庚申塔が残っていました。台座に右書きで 「中講村當」 と書かれています。
地方や時代によっていろいろあるようですが、
庚申塔は庚申講を3年18回続けた記念に建立される事が多いとの事です。
庚申講とは60日に巡ってくる庚申の日は人間の身中に居る三尸九虫(さんしくゅうちゅう)という虫は庚申の夜に人が寝た時,天に昇って天帝に人間の罪過を告げて人の生命を縮めるとされています。この虫の報告が五百条になると人は死ぬとされていました。
そこで,虫が天帝に報告しないように庚申の日は寝ずに夜通し起きていて,長寿を願ったとの事です。
人が集まって夜通し起きていれば、酒席にもなる事もある訳で、かつては60日に一度、村落の講の人達が集まって、今で言う「飲み会」を開いていた事でしょう。

私は雪国育ちなので、子供の頃シュロの木を見る事はありませんでした。
ヤシ科の植物を見ると南国の暖かい地方を想像します。
北関東の田園の中にシュロの木を見るとは思いもしませんでした。歩いたのは1月ですが、それだけで暖かい感じがします。

梁田宿

梁田町自治会館の前に 「旧日光例幣使街道梁田宿」 の石柱が無かったら危うく写真を写さずに通り過ぎるところでした。旧街道沿いの町というより昭和を感じさせる街並みです。



渡良瀬川
梁田の町を過ぎると直ぐに渡良瀬川の堤防を歩きます。
渡良瀬川の上流はかつて足尾銅山があった地を流れ、更に上流は中禅寺湖付近の山の中です。
下流はハート型が印象的な渡良瀬貯水池を通り利根川と合流します。
ここまで来ると山並みが随分と近づいたなと感じます。


川崎町の石仏・石塔群


渡良瀬川に架かる川崎橋を渡って右に曲がり川崎町の外れに来ると、石仏・石塔群がありました。お寺跡かなとも思いましたが、説明版がないので由来などは分かりません。優しいお顔をされた立派な石仏です。


その中に 天明丑年 と読める石塔がありました。
五料宿のところでも書きましたが旧街道を歩くと天明の元号が刻まれた石仏・石塔を多く見ます。
人間にはどうする事も出来なかった、天明の飢饉で人々が神仏にすがったのかなと思います。

イチゴ農家の作業小屋で休ませて頂きました
川崎町を過ぎると、完璧な田園地帯です! 地理院地図も水田記号で埋め尽くされています。
歩き始めて2時間ほど経っています。休みたくなりましたがコンビニは勿論、座って休む場所もありません。
途中ポツンとラーメン屋さんが在ったのですが、歩き終わって天明宿で佐野ラーメンを食べると決めていたので素通りしてしまいました。

渡良瀬川の小さな支流を渡った所で女性が小屋の前で作業をしていました。
こんな所を歩いている人が珍しかったのでしょう、「何をなさっているのですか?」と声をかけてくれました。例幣使街道を歩いている事や、今日は佐野まで行く事などを話したら、中に入って休んでくださいと言って頂きました。もう、渡りに船、天の助け、図々しく小屋に入って休ませて頂きました。

いろいろ話をしていると、その方はイチゴ農家で、この小屋はイチゴの収穫の為の作業小屋との事でした。
更に話を聞くと2019年の台風19号で川が氾濫してイチゴ畑が流され、借金をしてビニールハウスなどを建て直してようやくここまで再建したとの事でした。
当然収入減や借金返済で経営は苦しいと思いますが、その女性は「借金なんて、なんとかなるわよ。」といたって明るい表情で話します。息子さんが跡を継ぐことも決まっているとの事で、先々の事が楽しみなのでしょう。
人は未来が明るいと感じると、どこからともなく力が湧いてくるものなのだと感じました。
休ませて頂きありがとうございました。今後 ”とちおとめ” を食べる時はこの日の事を思い出すと思います。

岡崎山古墳群


足利市寺岡町にある古墳群です。
説明版によると 平成2年にこの丘陵に複数の古墳が発見され、岡崎山古墳群と命名されたとの事です。
こんもりとした森が岡崎山です。丘陵の上からは関東平野が望まれ、遠く東に筑波山、南に富士山や秩父の山々、西に浅間山、北には男体山を望むことができるそうです。
一際高い場所に御野立所跡の碑が立っています。明治天皇もここで関東平野を望んだ事でしょう。




岡崎山古墳群の下に旗川が流れています。
その川にマスと思われる大きな魚が悠然と泳いでいました。足尾山地の湧き水が集まって流れて来ているのだと思いますが、それにしても水が澄んでいます。この澄んだ川を見れただけでも、今日ここまで歩いて来て良かったと思えます。


天明宿


冒頭にも書きましたが、天明宿は現在の栃木県佐野市の中心部にあります。地理院地図に天明町という地名が載っているので宿場はそこに在ったのだと思います。

その天明町へは昭和レトロ感がある細い道を進んで行きます。


ところが秋山川に架かる橋が落ちていました。
橋のたもとで10人くらいの方達が集まって打ち合わせをしていたので聞いてみたら、2019年の台風19号の増水で橋が落ちたとの事でした。
秋山川の堤防が決壊したのはもう少し下流のようですが、それにしても今流れている水量からは想像できないくらいの濁流が押し寄せたのだと思います。上のマスが泳ぐ写真の様な澄んだ同じ水が人の生命をも脅かす存在になる事がにわかには信じられません。

少し上流にも橋があったのでそちらを渡って迂回しました。

天明宿の家並み
かつての天明宿と思われる付近には雰囲気が良い建物が残っています。


味噌饅頭新井屋


小沼呉服店とその庵看板
まるで江戸名所図会に載っている大店のようなアンティークな庵看板(上部に小さな屋根を付けた看板)。
この看板と似た様式の看板を奥州街道前沢宿で見たことがあります。



佐野市役所
街道沿いの古い民家と対照的な佐野市役所の建物前まで歩いて今日の行動は終わりです。

エピローグ


歩き終わってから佐野ラーメンを食べました。
私の勝手なイメージですが市内のいたる所にラーメン屋さんが軒を連ねているのかと思っていました。
ところが旧街道沿いにはラーメン屋さんは殆ど無く、拍子抜けしてしまいました。
スマホでラーメン屋さんを検索すると、むしろ周辺部にラーメン屋さんがあります。その中の一つの店に車で行きました。ところが、2時から5時までは休みでした。更にスマホで探すと多くのラーメン屋さんが同じように休みになっています。ようやく営業しているラーメン屋さんを探してやっと佐野ラーメンにありつけました。

佐野ラーメンですが、透明感のある黄金色のスープで、麺は中くらいの太さ、癖のないあっさりとした味のラーメンでした。美味しかったのと、昼ご飯を抜いていたので、夢中で食べました。写真を写さなければと気がついた時には大半食べてしまった後でした。食べかけのラーメンの写真を掲載しても仕方ないので写しませんでした。
写真を掲載出来なくてすみません。

この日は「道の駅 にしかた」で車中泊をしました。道の駅 にしかた は東武日光線の金崎駅のそばにあります。そしてなにより 400mほど離れたところに 「栃木天然温泉 いきいき夢ロマン」 という日帰り温泉があります。車中泊する身としては、道の駅から歩いて行けるところに温泉があるのは本当に嬉しいです。汗を流してから、疲れた体にビールが染み渡るのは至福の時間です。あとは適度に酔っぱらって車まで行って、眠るだけ。車中泊というcheapな宿泊手段が極上の宿泊施設に変わります。


END

2020/02/23 作成

Column


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